僕を助けてくれたもの

頑張り方がわからない。30代に入る頃だろうか。そう思い悩むようになった。特に自分のために頑張ろうとするとその度その度に挫折感を味わっていたように思う。自分の研究や論文、自分のスポーツ、自分の恋愛…そういった自分に関わるものに対して、自分の意思で取り組もうとすると全く進まず、全くうまくいかない。そういう気持ちに陥っていた。生まれ変わりたい、産まれ直したい、そういう風に思う自分もいたし、ストレスから解放されるため、あるいは、何も考えずにいられるようにしてしまう自分もいた。

そんな時期に助けてくれたものがある。それはタントラとそして今の稽古だ。

稽古との出会いは2018年5月、知人からの紹介があり、創始者の書籍をくれたことが始まりだった。その後、翌月に都内で開催されている師範の支部教室に参加した。その翌月7月に創始者の講座に参加した。その出会いに関しては以前にも書いた。講座に出ている中で、9月に刀の演武会があると聞き、観に行くことにした。実は当日直前まで会場に行く気持ちになれなかった。その演武会を鑑賞して入会を決めた。2018年10月から稽古に参加し始めた。それから稽古を最優先に日程を組み参加してきた。2021年には初段、2023年12月には弐段を取得した。2019年夏から書の稽古も始めている。

タントラは、2017年7月にラダの書籍「タントラライフ」とOSHOの「愛の円環」を買って読んだのだが始まりだった。その後、ネットでさまざまな検索した。当時は今よりも情報は限られていたけれど、どうにか探し出していくつかセッションを受けた。記録を見返してみると、2019年4月に都内で男性セラピストのマッサージセッション、そして2019年5月京都で女性のセラピストから感情デトックスボディワークというセッションを受けている。2019年9月下旬にある団体が主催する男性だけのワークショップに参加した。出会いの時期だけそのあと、その団体のイベントに参加している。2020年7月石裂山、2020年8月湘南、2020年12月末石裂山、2021年4月湘南、2021年9月大阪、2022年2月東京、2022年3月東京、2022年4月山中湖、2022年8月湘南、2022年10月山中湖、2024年2月都内、そして、2024年3月春分都内。また、OSHO系のペインティングには、2021年4月安曇野、2023年5月滋賀に参加した。コースを最後まで終えていないが、2020年10月頃にマッサージのコースにも参加している。

2019年に京都で受けたセッションを申し込むときに、こんなことを書いている。

これから自分が生き続けるために、感情の解放と身体、性に対する取り組みが必要を感じて、セッションを依頼しました。20年以上、自分らしさや自分がやりたいことが何なのか探しています。30代になり希望の職についたものの、その職に求められる自分になろうと努力してきた中、それにも疲れ、自分が何だかわからくなってしまいました。頑張ろうとしても頑張り方がわからない、頭で考えようとしてもうまく考えられない、自分を信用することができない、そんな時間が続いています。10代初期から、そこから感じるストレスを性的な発散で頭を真っ白にすることで逃れようとしていました。また、効果のページにもあった、愛への恐怖、一人の人へのコミットすることにも課題を感じています。それらに対しての成長か変化のきっかけになると思い、連絡しました。

また、セッション前に出された読書課題として、ディビッド・ディーダの「一流の男への道」を読み、その感想を送った。その時はこんなことを書いている。

先日ご紹介頂いた書籍「一流の男」への道を早速一読しました。

セクシャリティスピリチュアリティの関係性を解いているところが非常に興味深く、目からウロコがでる箇所がいくつもありました。これまで自分が抱えてきた恐れや虚しさは、使命感や人生の目的の探求と設定を避けてきたからだったと気づくことができました。

書籍の出版が1990年代後半だったからかも知れませんが、前半部分で例に挙げられた男性像女性像が少し古く感じたところもありました。しかし、全体を通して、人間が持つ男性性と女性性の本質的な理解、男性として両性性を統合した上で男性性を発揮する意義が語られていて、今の自分と重ね合わせて読むことができました。

私が今まで抱えていた、心と体との関係の葛藤、そして、女性関係や社会との関係での葛藤を乗り越える糸口を見ることができたように思います。自分の在り方と性の捉え方がこんなにもリンクしていたのかと謎がたくさん溶けた感じがあり、読み終えると、心が落ち着くとともに、大人になることへのワクワク感を抱くことができました。自分の男性としての成長・成熟を果たしていきたいです。

さらに、

性との向き合いと付き合いが、身体の状態と心のあり様そして生き方につながっていることを実感できたように思います。自分に対して自信が持ててなかったこと、それがこれまでの女性との関係性において相手の傷つきを癒すことばかりに目が行き、その結果依存関係の構築につながっていたことに気づきました。そういった自信のなさが肺、心臓、腸の状態であったりや股関節の開きなどと関連していると聞き、身体でも実感できて、とても勉強になりました。

今の状態もとても快適で、自分の中に意志が生まれてきている感じはしていますが、もう一歩先、もう一つの安心と安定感が必要かなと感じています。なので、⚪︎さんのセッションとても楽しみにしております。セッションの日が新元号の最初の新月を迎える前日なので、その日に受けられることが何か意味があるのではないかなと期待しております。また、タントラについて知りセッションを受ける中で、自分が自分の感情と意志と身体の関連を学ぶとともに、自分でも他の方に伝えられるようになりたいと思い始めました。お話も聞かせていただけると嬉しいです。

と書いて送っている。

 

正直、僕は飽き性で、継続的に取り組むのは苦手意識がある。けれど、この稽古とタントラはどちらも5年以上通い続けている。2018年というのは本当に苦しい時期だった、仕事もプライベートも。その苦しい時期の僕を助けてくれたのもこの二つだった。

そして、今、改めて、この二つを大切にしたいと思っている。自分の成長・成熟の支えになってきたこの二つの場を大切にしたい。どう大切にするか、教えるとか伝えるとかこの先それを求められることもあるかもしれない、それはきっと起こることだと思うけれど、そのために何かをするのではなく、この場を大切に思いながらその場に留まっていようと思っている。そこにいて、誰かの助けになれる日が来ていたら僕も嬉しい。

自分を助けてくれたものを大切にしていきたい、そう思い、出会いと歩みを振り返ってみた。ありがとう。